変わり玉記録帳

日記・文章を載せる場所。個人文章道場も兼ねる。脳みそ断片保管庫宇宙本部。

「世界、変えてみない?」前半

ブルベ冬、骨格ストレート、顔面アクティブキュート。


これらはすべてパーソナルスタイル診断とやらで用いられる言葉である。訳わかんないよね。


雑に翻訳すると

「パキッとした青みのある色が似合って、骨格がしっかりしていてる、上半身に厚みがある体型。童顔で各パーツが丸みを帯びた顔立ち」

というように私の外見の特徴を示している。


謎な言葉の羅列に見えるが、実はこのパーソナルスタイル診断、巷の女性たちの間で大流行中なのだ。


皆この診断結果を元に、似合う化粧品や洋服を選んだり髪の色を決めたりしている。


本来色彩やスタイリングのプロが客観的に全体を見て判断するものである。

ただその費用がべらぼうに高い。普通に2万円以上する。


「そんなん払ってらんねえよ、でも美意識は高く持ちたいし似合うものは知りたい。どうにかしてくれ」


そういう声が多いのだろう。

今、自分で自分の特徴を入力して結果を見る「セルフ診断」なるものがネット上にあふれ、最近では顔写真を元にAIが顔立ちについて分析してくれるサービスが続々とリリースされている。


最初に書いた単語もセルフ診断で得たものだ。顔タイプ診断は下記に貼ったKATEのサービスを元にした。

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「桃」のような可愛らしさ・愛らしさがあるらしい。リアルで私を知っている人からすれば可笑しくて仕方ないと思うが天下のKATEが言うんだから間違いない。

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しかも顔の弱点をカバーする術まで教えてくれる。すごいよKATE。涙袋描くね。


ただ、これも無料でAIに頼った診断だ。どうしても人間の目に敵わない部分はまだ今の技術では残っていると思う。


でもこれだけ分かれば十分でしょと涙袋にせっせとラメを盛っていたある日、脳みその5割を美容と健康に割いている友人が

「パーソナル診断行ってきたわ」

という一言をグループLINEに投下してきたのだ。


おいおいマジかよと食い気味に話を聞くと、①プロが自分に合った色を見立て、②実際に顔立ちに合った化粧を施し、③その際に使ったアイテムをまとめて教えてくれる。④おまけに似合う服装についてもアドバイスを受けられ、⑤そして後日その日の診断で分かったことをまとめた資料が自宅に郵送されてくるというのだ。


大体3時間ほどかけて、プロが自分のためだけにあれやこれやして「自分がバッチリ決まった状態」になるための手ほどきをしてくれるとなると、ウン万円かかるのにも納得してしまう。それに絶対楽しい。


それ以来、1週間に1回はその友人に「世界が変わるからとっとと行ってこい」と診断を受けることを勧められている。胡散臭い事この上ない煽り文句だ。性格上、気軽に世界を変えようとする奴に気の合う人間がいた試しがない。でも。


世界、変えてみたいかもしれない。


「イマイチだよなあ」って思いながら、思考放棄のためにロングスカートとニットの組み合わせを制服のように着回す日々を終わりにしたい。


シジミのような小さい目を大きく見せたい。


よっしゃ、毎日もやしと白菜でもウン万円払ってやろうじゃないの。サービスに不満があれば友人をタコ殴りにすればいい。

 

早速家計簿アプリをダウンロードし、暖房を消した。


世界を変えるための節約生活が始まったのだ