事務仕事苦手族
私と就活、というテーマの考え事を人生で何回することになるのだろうか。と独言て、ここ数日不機嫌でいた。
アルバイト以外で就いた仕事の状況は散々たるもので、一社目は先輩と反りが合わずリタイアし、二社目はそれより長く続いてかつ好きになれる会社だったけれど、やむない事情で退職。
そこからは落ち込んだり、自分を蔑んだり、周りを羨んだりして過ごしてきたけれど、今日ようやっと、就活準備を始めてもいいということになった。
私の中には「30の壁」という言葉がある。文字どおり、30過ぎると即戦力となる経験者のみの求人が増え、特にキャリアのない私のような人間が仕事に就くことが難しくなる、というだけなのだが。
30の壁が見えてきている今、また仮に長く勤められなかったとしても、少しでも経験値を稼げる仕事を、少しでも長く勤められる環境を探さなければならなければ、と慎重に戦略的にと自分に言い聞かせるも結構焦っている。
なんちゃってコピーライターとへっぽこ事務の経験しかない私が次に飛び込むべき職種はなんだろう。
学生時代やったように、好き・嫌い/出来る・出来ないを書き出してみる。なんとも我儘な表が出来た。なんとなく察しはついていたが、明らかになったのは「事務職は死ぬほど向いていない」ということだった。
病院に行き就活解禁についてお伺いを立てた時に、恐る恐る訊いてみた。
「あのー、かくかくしかじかで、私もしかしたら一般事務って一番向いてない仕事な気がしてるのですが」
「僕もそう思う、座りっぱなしで黙って作業するよりも、動いたり、コミュニケーションとったり多少の自由さがあることやクリエイティブなことをする方がいいよ、あとはたまにダウンしても代わりがいれば文句なしだね」
私は、事務仕事が出来ないことはとても恥ずかしいことで、事務仕事苦手アピールは「普通の勤め人じゃないですアピール」、「変わり者アピール」したい変な人がするものだと思っていたけど、どうやらそうではないらしい。
生まれ持っての適性というものはどうしてもあって、私はたまたま事務仕事苦手族の人間だっただけだった。
前職であまりの出来なさに、頭悪くないはずなのになあ、と首を捻られていたけど、種族が違ったと考えれば、仕事が出来るようになるスピードもその分遅れるよなあ、と努力不足もあるにしろ思った。
もっともっと努力すればアヒルもコンドルの様に飛べたかもしれないけれども間に合わなかったし、その途中でダメになってしまった。根性なしと言われればそれまでなのだけど。
でも前職の先輩たちもなんとなく私が事務仕事苦手族であることに気づいていてくれていて、退職時には散々迷惑をかけてきたというのに、
「『私(ピーー)とライティングしかしないんで』ぐらいさ、言えるようになっちゃいなよ、多分普通の会社員よりそっちの方が合ってると思うよ」
と、前職ならではのジョークを交えて励ましてくれた。その人は我が道を行くカッコいいデザイナーのおねえさんである。タトゥーとピアスがよく似合う仕事人だ。
事務仕事苦手族としては、なんとしても「30の壁」にぶつかってしまう前に、何かしらの技能や手腕を身につけていたい。
事務職以外の可能性を提示してくれた人たちの言葉がこんなに背中を押してくれるとは思わなかった。事務仕事できなくても他でカバーして何かを生み出していけば、きっと自分に少しずつ価値がついていく。
余談だが、私は事務仕事苦手族だってことをなんとなくわかっていた。というか告げられていた。それでもやってみたら意外といけるかもしれないと思ってやってみたら案の定できなくて、他人からも、きみはやっぱり生まれつき事務仕事苦手族だよ、と言われてしまったのだった。
これから長期戦になると思うが、入念な下調べのもと、いっぱい履歴書書き損じて、封筒を無駄にして、なんとか新しい職にありつきたいものである。
何か私に向いてそうな仕事があればどうか教えてくださいませ。
接客業も動く仕事も好きですよ。
目標は、事務仕事苦手族から○○仕事得意族になること。頑張ります。