変わり玉記録帳

日記・文章を載せる場所。個人文章道場も兼ねる。脳みそ断片保管庫宇宙本部。

携えるは赤ペンとこの世の夢

2015年ぶりに仕事で褒められた。

しかもずっと憧れていた仕事で。見習いも見習いだから、何かを残したわけではないけど。

 


2015年ぶりに「楽しく仕事」ではなく、「仕事が楽しい」という状態だった。ちなみに2015年は、塾講師をしていた最後の年。

 


けどその職場を辞めてきた。

 


紹介してくれた人には失礼な言葉かもしれないけれど、職種柄良くも悪くも同僚に頓着しない・干渉しない環境で、とても居心地が良かった。

 


ダメ出しをもらうこともあったけど、理不尽だと感じることもなかったし、どこまでなにをしていいのか、最終的にどうなっていればいいのかも教えてくれるので、途中過程に関してはかなり自由度が高かった。

完成のためなら下っ端でも意見してよかった。

 


あとたまにおやつが配られる。

 


そしてこれは個人的にとても重要なことだったんだけレベルど、来る日も来る日もひたすら入力、などずっと同じ作業をすることはなかった。

同じ案件でも前とちょっと変わってたり、求められるものも変わったりするのでストレスなく働けた。

 


そんな場所だから、あまり個人的に評価をされる機会もなく、(とりあえずいまできるレベルのことで振られた仕事は返していくしかないわな……)と毎日ちょっとずつレベルアップしようと思ってやってきた。

 


でも辞めなきゃいけなくなった。

 


最後に知った。上の皆さん、特に同じ部署の方は私のことをそれなりに評価してくれていたらしい。

仕事で褒められるなんて社会人になってから初めてなんじゃなかろうか。

辞めていく相手はまた顧客に戻るから、最後のリップサービスだったのかもしれない。

 


もちろん辞める原因になったことについても言及された。

でもそれは私を責めるものではなく、同情、あるいは惜しんでくれるものだった。

 


好きなことと出来ることがマッチした状態で働ける環境を見つけること、作ることの難しさは嫌という程知っている。

でも今回はそれが実現されていた。仕事が好きで楽しかった。

 


きっと時間が経てば難しいことも降ってきて、そんなことは言ってられなくなるだろう、嫌になる時が絶対にくる。愚痴も言ったはず。

 


でも私はまだ夢を見ている気分で、けれどもうその夢は見られなくて、顔をびしゃびしゃにしながら、最後に会社の人とした会話を忘れないように、自分を認めてくれた言葉を忘れないように、必死でその場面を繰り返し思い出している。巻き戻し再生、巻き戻し再生。

日常だったことを巡らせている。

 


「私はこの分野ではちょっと頑張れてたんだ」という過去にすがる行為は、「だからもう一度あの業界に戻るんだ」という、ある意味夢を見ることにつながるかもしれない。

 


けれどそうじゃない。私はいま目指すものとしての夢ではなくて、ぼーっとしてたら、そしてアルバイトを詰めて忙しくなりはじめたらきっと忘れてしまうだろう、覚めてしまう夢を見ているのである。

 


明日はバイトの面接が数件入っている。

暮らしのために焦って求人に応募しまくった。

 


明後日はすでに決まっているバイトに出勤する。

そこでは今日まで取り組んできたことが直接役に立つことはないだろう。

 


だから今夜だけ夢を見る。

誰に正論を言われても、たとえ私を褒めた人が多少大袈裟に言っていたとしても、働きぶりを認めていた、能力がある、すごいよねと話していた、という言葉を確かに聞いてしまったから。

 


いままでどれだけその言葉に飢えて渇いていたのか。

 


自分のことはもう諦めていたはずなのに。

 


「仕事は楽しいよ」という言葉は周りの人を安心させるためのものだったはずなのに。

 


私の心からの言葉に変わっていた。

いつか私にもできる、そう思うようになっていた。

 


こんなことこそ、親にも、誰にも言えないから吐き出してしまった。

 


履歴書の経歴欄が汚れていく度、私の心も黒くなる。

 


あーあ。

 


いまはとてもハングリーになれる気持ちではないけれど文字媒体の世界に戻りたい。

 

私、しばらく待たせるけど、それまで炎を絶やさないでね。

 


*****

 


こんなんじゃいま患ってしまっている「女性の風邪」とあだ名されている病気は治んないんじゃないか。

 


保険証を返す前に慌てて婦人科に駆け込んだら、「ストレスと、免疫力低下、ホルモンバランスの変化が原因」と診断された。心当たりがありすぎる。

 


処女だろうがプレイガールだろうが、誰でもなる病気らしいけど、保険証がない上に病院が休診となる年末となるとここできっちり治しておかなきゃいけない。

 


これもまた現実。困ったことは一気にやってくるね。

 


生き死にをコントロールするのは自分だけだと思っているけど、どちらにしても充足を求める。

 


職場の皆さま、親身になってくださった管理職の皆さま、ありがとうございました。

 


とてもいい経験でした。

 


どうかまた別の機会に。