出勤したらYouTuberにさせられた

100人超を前にして笑顔で模擬授業をする舞台度胸を持ち、加えて滑舌の良さ、よく通る声、謎の人当たりの良さで、数々の接客業で褒めちぎられてきたワタクシですが、調子に乗りすぎたのかこれらをフルに活かす大役を命じられてしまった。

弊社のYouTubeチャンネル出演（司会）

ええ〜、いくら私が上記参照とはいえそれはないでしょ、プロに頼めよ。

しかも顔出し。そもそもなんで編集プロダクションが自社チャンネル持つんだよ。

散々抵抗して、代役の案を立てたけど、悪しきサラリーマン界の伝統「上の言ったことは絶対」に従ってしまい、出演決定。

さっすが経営者！　従業員の断れない性格を見抜いている。

「声がいいから！」「よく通るし！」褒めておだててエッサホイサと頑張ってくれたが、私のような頑固な豚はおだてても木に登らない。

前日までごねたけど、撮影担当から半ばキレられて諦めた。

「初めから嫌っていえばいいんですよ」

→言った

「○○○さんは頑固だから話してて疲れるんですよ」

→知るか

じゃあお前二度と深夜1時に電話かけてきて、3時まで愚痴るなんてことするなよ？　一時期毎日かかってきて死ぬかと思ったぞ。

そんなこんなで当日を迎え、蓋を開けたら司会というか座談会で即興演技までする、恐ろしいコンテンツ作りに参加&出演。

晴れて企業宣伝YouTuberデビュー。

「次は絶対に代役を立ててください」とシャウトしたものの、さっき完成した動画と豚を木に登らせたいがための褒めちぎり文面が記載されたメールが届いた。

上記特性のおかげで、めちゃくちゃ活き活きしているように見えた。心は泣いているけど。

「ご共有誠にありがとうございます。畏れ多いです。確認いたしました」

本当にもうやりたくない。ネット怖い。次回もよろしくお願いするな。泣くぞ。親に一筆書かせるぞ。

冗談みたいに書いてるし、他の出演問題系に比べりゃ大したことない。ギャーギャーうるせえよって自分でも思う。ただ、望んでやってることじゃないから本当にきつい。

でも。

……私めちゃくちゃ人前に出るの向いてるね。

人件費削減のために蹂躙された人権に思いを馳せて寝る。枕、濡れるだろうな。

死んでも動画は見つけさせません。

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弊社ボスはおおらかで優しい物腰柔らかな人間で、良くも悪くも適当。話せばわかるいい人である。その辺で寝てても「効率上がるならいいっすよ」って寝かせてくれる。

しかし、いわゆるアングラが専門で、何度も取材対象が逮捕されるのを見届けて、自分はすり抜けできている。（過去の借金の話とかクソ面白い模範的狂った早大生）

だから出演強要等、そっちのビジネスについてもルポ書けるくらい詳しいし、それ故感覚がバグってるに違いない。

もう一度言う。私は堅気の勤め人です。