やさしい数の世界ーーダイエットの素直
前に好き嫌いがわからない、どこからが好きで、普通で、嫌いなのか自分で決められない、他人に頼ってしまう。という記事を書いた。
趣味……。私よりも没頭している、そのものをより愛しているのではないか、と感じる人がいると口を噤んでしまう、と。
唐突だが、最近ダイエットを始めた。
ちゃんと毎朝決まった時間に体重計に乗り、アプリに記録、食事制限。
食料を減らしても健康でいられるメニューを調べる。
カッコいい身体つきになるためにより効果的なトレーニングを調べる。
元がとんでもない重さということもあり、短期間で予想よりも体重が落ちた。
まだ見た目に反映されていないけど。
文章を書くことは好きだ。
でも私はたくさん読者がいるとか、書くたびにアンチでもなんでもコメントをもらえるとか、そんな人間ではない。
誰がこれを、気まぐれに更新されるそれっぽい文章を読んでいるのかわからない。
それに対してダイエットは素直である。
きちんと数字で返してくる。
調べた内容や、バイオリズム、いろいろなデータと照らし合わせて体重の増減・筋肉のつき方を考える。
過去、私に趣味を持たせようとした人間はゲームが好きだった。
でも振り返ってみれば、その人もただ漫然と遊ぶのではなく考え込んで、数値を見て技を磨いていたように思う。
「あ、私いままで分析できることをしていなかった」
と気づいたのだ。
大学の勉強は言わずもがな(成績は大して気にしてなかったけど)、塾講師のバイトも生徒が数値を返してくれる。
メガネ屋だって個人ノルマはなかったけれど、お客様がいくらの商品を買ったか、どれだけ売ったかの世界だった。
ダイエットは厳しい。
増えたり減ったり。
まるで受験勉強。
次の模試でB判定を取ろう。
次の月までに○㎏落とそう。
ここの筋肉を引き締めよう。
そのためにどうやって身体をを動かせば「効く」のかを考える。
どうすればもっと安定して泳げるのか、もっと内腿がビキビキするように歩けるか、ダイエット、運動は対話で科学なのだ。
求職活動はしんどい。知らない事情で落とされて、その度に振り返りをする。自己嫌悪にも陥る。
でもダイエットは明確だ。
昨日食べ過ぎた。最近便秘気味だ。筋トレをサボった。夕飯を抜いたから。むくみが抜ける時期だから。
浮かび上がる数、筋肉の痛み。
ずるしても騙せないから、素直な身体に私も素直になる。
散々語って来月には挫折、なんてことがないように、こんな気持ちがずっと続けばいいな。